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万葉線
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車庫のある米島口から再び単線となり、右に急カーブを切って専用軌道へ。25パーミルの坂を上り、氷見線を渡る。
能町口の先から併用軌道に戻るが、前と違って道幅も狭く、何となく裏道の風情だ。
カーブなど、電車も減速するが、対向車もおっかなびっくりという感じである。
吉久で交換したのち、次の中伏木の間でまた専用軌道となる。中伏木は、如意の渡しへの下車駅なので、もう少しにぎやかなのかと思ったら、閑散とした何の変哲もない電停であった。
次の六渡寺でも交換。電停のすぐ傍が木材倉庫で、交換待ちの間、木の香りが鼻をつく。
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庄川を渡る。
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ここからおそらく沿線最大の勾配33パーミルでぐいぐいのぼると庄川を渡る。その後は淡々と専用軌道を走り、数駅を経て好ましい雰囲気の中新湊に着く。左手に電車が見えて、少々違和感を感じたが、そのときは何かの都合なのだろうと思っていた。
ここからまた坂を上り、内川を渡り、東新湊あたりからはほぼ一直線で越ノ潟に至る。
線路状態は相変わらず今いちで、横に激しく揺れ、正面の運転士が、踊るように腰をスイングしながら運転している。
もうこのあたりは港湾施設の真っ只中にあり、日曜日ということもあって、人影も少ない。
つい富山地鉄と同じイメージをもって来てしまったが、事情は大違いだ。450円という運賃もやむを得ないと思うし、廃線の危機に立たされたというのも他人事みたいな言い方だが、うなずけてしまう。
越ノ潟に着いた頃にはお客は自分も入れて4人。そのうち地元客は2人で、2人ともそのままフェリーに乗り換えていった。
電車は15分ごとだから、すぐ次の電車が来ると思ったら、なかなか来ないので、時刻表を確認すると、次は30分後であった。そうか、1本おきに中新湊で折り返すんだ、左側に停まっていたのは折り返しの電車だったのか、と今さらながら気づいたのであった。
まあ、30分くらいなら待つのは苦にならない。フェリー乗場などをぶらぶらして時間をつぶす。フェリーの時刻表を見ると、驚いたことに終夜運航をしているようだった。乗船客はどういう人たちなのだろう。
越ノ潟からの帰り、まず中新湊で途中下車。先客の鉄ちゃんが2人もいる。少し歩いてみると、小ぎれいな商店があって万葉線との落差が大きい。
その後新町口まで歩き、2区間電車に乗り、庄川口へ。庄川を渡る電車を撮っていると、遠くから汽笛が聞こえる。ちょうどC56が戻ってきたようだ。煙が見えないかと目を凝らしてみたが、それらしいものは見えなかった。
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旭ヶ丘〜荻布間で引込線と平面交差する。
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ここからは一気に荻布へ。ここと旭ヶ丘の間にある日本曹達の引込線との平面クロスを撮り、最後に交換シーンを撮るために本丸会館前に向かう。
ただ、だんだん時間が押してきて、既に16時を回っていた。これまた鉄ちゃんにあるまじきことであるが、高岡駅を何時の電車に乗って富山に帰れば、予約していたサンダーバード46号に間に合うか調べるのを忘れていた。富山発が17時58分だから、17時に高岡駅に戻れば何とかなりそうだと思ったものの、ぎりぎりである。高岡からサンダーバードに乗ればいいじゃないかと言われそうだが、実は富山に戻って富山地鉄をもう一度撮り、土産にますのすしを買おうという魂胆で、荷物を富山のコインロッカーに入れっぱなしなのである。荷物さえ高岡まで持ってきていれば、予定変更できたのに段取りが悪い。
いつものことだが「まあ、なんとかなるだろう」と本丸会館前で下車。交換電車を1本撮ると、もう16時50分。高岡駅までの距離はわからないが、15分電車を待つよりも歩いたほうが早かろうと半ば駆け足で歩き出す。意外に距離があって、1キロ以上はあっただろうか、駅に着いたのは17時過ぎ。次の下り列車は?果たして17時15分、直江津行き。やれやれ、なんとか間に合った。
無事富山で荷物を出して、家族への土産のますのすしと、自分の弁当を買ってホームに行くなり、サンダーバードが入線してきた。
指定席に荷物を置いて落ち着くと、とたんに腹が減ってきた。昼食が早かったせいもあるし、弁当ひとつでは足りないような気がする。またホームに下りて、売店をのぞいてみると、小さな折のますのすしを売っている。これだと買い求め、席に戻る。さあ、これですべて予定終了だ。
【2002年9月現地、2003年1月記】