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■備前矢田駅
苦木の次は備前矢田に向かった。少しずつ和気側へ戻ってきたことになる。
比較的大きな駅で、ここで列車交換をすることも多かったように記憶している。
駅舎はとんがり屋根のモダンなスタイルではなく、まさに「駅本屋」と呼ぶにふさわしい純和風のつくりである。
写真はその備前矢田駅前でボール遊びに興じる子どもたち。
■柵原
備前矢田からは踵を返して終点の柵原へ。せっかく片上鉄道に来たのだから、終点まで行かなくちゃ、と思ったに違いない。
もう作業も終わっているようで、構内は閑散としていた。
柵原駅で発車を待つキハ311。乗客もほとんどいない。
■客車列車
和気駅に戻り、片上からやってきた柵原行きの客車列車、それも貨車との混合列車が入線するシーンを撮る。と、なにやら最後尾の客車のオープンデッキが騒がしい。見れば、同じ高校鉄研の仲間たちが、デッキ上ではしゃいでいたのであった。
実は、このときの本来の目的は、高校鉄研の下津井電鉄での春合宿で、合間の自由行動日に片上鉄道を訪れたのであった。当時から一匹狼を気取っていた私は、みんなとは別行動で撮り鉄に向かったのである。
1日1往復しかない客車列車で柵原まで乗りたいのはやまやまであったが、そうすると、合宿の再集合時間に間に合わない。それで、やむなく和気駅での駅撮りに留めたのであった。でも、楽しそうなメンバーの姿を見て、やっぱり片上〜和気間だけでも乗ればよかったと、ちょっと後悔する。
いつか絶対にオープンデッキ客車に乗りに来よう。そう心に決めて、みんなと合流し、山陽本線で合宿地の岡山に戻ったのであった。
【1976年4月現地、2011年10月記】