やっぱりEOS R5からR3に買換えた、という話ではない。昨年末から次々に家電製品が故障し、買換えざるを得ない事態が続いているのだ。まさに故障の連鎖で予定外の出費が重なり頭が痛い。
予兆は、昨年秋のFAX付複合電話機の不調で、通話中に切れることがあり、電話線を交換しても改善せず、とどめは液晶画面が写らなくなってギブアップ。事情でFAXは必須なのだが、今はメーカーが限られ、その中でパナソニックの「おたっくす」が無難かなとネットで探すと、どこも売切れ。怪訝に思ってパナソニックのホームページを確認したところ、半導体不足で受注停止だと。あらら、こんなところにもコロナ禍の影響が。やむなく在庫があるという聞いたこともない販売店で購入したが無事手元に届き、事なきを得たのであった。
続いてはウオッシュレット。突然動かなくなり、もう25年以上使っているので修理は無理と判断して、近所の家電量販店へ。色が一般的な白ではないため在庫がなく、取り寄せを依頼するが「いつ入荷するかわからない」と渋って動いてくれない。だったら自分で交換すると啖呵を切ってこれまたネットで探すが、確かにどこも「取り寄せ」だ。ここにもコロナ禍の影響があるとは。もっともトイレ自体は使えるので気長に待つつもりで注文すると、数日で届いて拍子抜け。ウオッシュレットは取付よりも取外しに手こずったものの、これも一件落着である。
そして先日、部屋にものすごい臭気が立ち込めてぎょっとする。どうやら暖房の石油ファンヒーターが不完全燃焼を起こしたようだ。このヒーターも25年以上使っており、メーカーが聞いたら使わないでくれと懇願されそうなくらい年季が入っている。もとより不完全燃焼による一酸化炭素中毒は怖いので買替えを即断。脱炭素と言われる時代に化石燃料を燃やすのか、灯油も高いのにとは思ったものの、速暖性は代えがたい。消火時の臭いは抑えたいので上位機種を狙うがやはり品薄で、これまた初めての販売店から購入して問題なく稼働中だ。
さらに極め付きが給湯器である。いや、まだ故障はしたわけではないが、前回更新から15年近く経ち湯温が不安定になるなど挙動が怪しい。給湯器こそ、政府がメーカーに安定供給を求めるなど、品不足がニュースになるほどだ。通常なら壊れてから交換しても1〜2日風呂を我慢すれば済むのだが、現在の供給状況で冬場の今、もし故障したら目も当てられない。使えるものを捨てるのは忍びないが、思い切って交換を発注したのであった。それから1ヶ月以上経つが、やはり入荷の音沙汰はなく、品不足は深刻なようだ。
買換えが続いたおかげで、図らずも3つの新旧製品を比較できたのだが、大きな違いは感じない。どれも製品としては成熟、悪く言えばもはや進化の余地がないためだろう。
例えば、文字や画像の通信はFAXではなくメールが当たり前の時代となり、そもそも固定電話を持たない人さえ増えており、メーカーの撤退もうなずける。前回の「余談」でスマホに押されるカメラ業界と書いたが、FAXを含む電話機も同じで、さらにカメラ以上に巻き返す要素は見当たらず、先細りする一方かも知れない。
ウオッシュレットも、以前の貯湯式が瞬間式になったくらいで大きな変化はない。とはいえ、FAXとは違って今や必需品なので、仮に進化はなくても使い続けるだろう。
石油ファンヒーターは微妙で、灯油を燃やす暖房器具の将来は厳しそうだ。現に大手家電メーカーはすべて撤退してしまっている。
少し話は変わるが、その石油ファンヒーターは、急いでいたので検討する間もなくコロナ製を購入した。今さら気になってネットで調べてみると、ある個人のページに同じコロナ製の感想が載っていた。それによれば「臭いは少ない」が「音は大きい」というもので、実は私と正反対なのである。その感想が間違いだと難癖をつけているわけではない。感想を書いた方は、従前使っていた石油ストーブとの比較で、確かにそれと比べたら臭いは少ないはずだが、ファンヒーターの吹出し音は気になるだろう。一方の私はファンヒーターの買換えなので、特に消火時の臭いがあまり変わらず残念に思ったが、設定温度に達してからの巡航運転時は静かで満足している。そもそも五感には個人差があるし、使用状況や環境によって感じ方が異なることを実感した次第だ。
我が家では、他に電子レンジと複数のエアコンが20年を超えている。何とか機嫌よく動き続けてもらい、これ以上故障の連鎖が続かないことを祈るばかりである。