■岩村駅にて
「どちらから来られました。朝早くから」
とても愛想のいい駅長に迎えられ、会話も弾む。
その駅長が「中部名駅100選に選ばれたもんだから、こんな切符を作ってみたんですよ」と記念切符を出してきた。A6サイズの台紙に岩村駅などの写真と恵那〜岩村の乗車券を貼って、ラミネートした手作りの切符だ。写真の違いで4種類あって、せっかくだから買おうと思ったものの、恵那〜岩村間の運賃は470円、少々ためらう。
「いや使い古しの切符だから、1枚100円」と駅長が笑いながら言う。
そうなれば話は別だ。4種類全部、締めて400円也を購入する。
それにしても、今回も名松線と同じようにカメラとビデオを持ってきたのだが、両立はなかなか難しい。やはり二兎を追うものは、である。
予定では、タブレットの交換や信号機の操作をビデオと一眼レフで交互に撮り、昼前には明智まで往復して、あわよくば長良川鉄道にも行こうと考えていたのだが、あっさりあきらめる。まあ、こういう展開は毎度のことではある。
列車は、ほぼ1時間おきだから、時間はたっぷりある。それでも、暇をもてあそぶということはなく、心地よい時間が流れる。会社を休んでまで、と来るまでは思ったりしたが、いざ来てしまうと、ローカル線の時計にすっぽりはまってしまう。これもまた、いつものこと。
|
運転士から岩村〜明智間のタブレットを
受け取る。
引き換えに岩村〜恵那間のスタフを渡す。
わかりにくいがスタフの形は四角。
←画面に触れるとタブレットを交換します。
|
次の8時台、9時台、10時台と列車交換のシーンを撮り、11時過ぎに閉塞機を動かすと聞いて、それまで駅周辺の様子をみたりして時間をつぶす。11時前には気もそぞろとなって駅の中へ。
「そろそろですよね」と声をかけ、駅員と話をしていると、チンチンチン、待ちに待った閉塞機のベルの音。ガチャガチャと閉塞機を操作して、「ほら」と丸い玉を駅員が見せてくれる。
無事、キャリアに収められたタブレットを撮影して、11時半ごろ町中の散策に出た。