福井鉄道で書いたとおり、田原町駅でえちぜん鉄道に乗り換える。
ただ、えちぜん鉄道は大雪のため山王で折り返し運転をしているという。勝山まで行けないのは残念だが、そのまま乗車してまずは轟へ向かう。
なぜ最初に轟へ行ったのかは思い出せないのだが、はっきり覚えているのは、駅の階段に足を踏み出した瞬間、視界いっぱいに空が広がったことだ。そんな回りくどい言い方をしなくとも、雪で踏み固められた階段で足を滑らせ、仰向けにひっくり返ったのである。幸い数段の階段だったので怪我をすることもなく、カメラも無事で、気を取り直して撮影ポイントへ。
撮影したのは少し光明寺側へ戻ったあたりで、足回りが雪で隠れてしまったが、撮り直す時間もないのでこれでよしとする。10年前だけあって、カメラは初代キスデジである。今の目から見れば、おもちゃみたいなカメラであるが、そのせいか山の稜線が妙な感じだ。
轟駅に戻ると、MC2101形が入線してきた。
一目で元阪神電鉄とわかるが、今はすべて廃車となってしまった。ウイキベディアによると、車体こそ阪神5231形ながら、下回りは元南海電鉄の1201形だそうだ。つまり吊り掛け式だったわけで、乗ればすぐわかったはずだが、やっぱり覚えていない。10年ひと昔とは言うものの、そんなことすら忘れてしまって情けない。
その後、永平寺口駅に立ち寄る。
1914(大正3)年開業当時のままの姿で残る駅舎を見ておきたかったのだ。白い駅舎が雪化粧して、とても清楚な姿が印象的だ。今は新しい駅舎ができて役割は終えたものの、建物自体は地域交流館として健在なのが嬉しい。
こうして冬の写真を並べていると、またいずれ雪化粧を撮りたいという気になってきた。いや今度の「いずれ」は10年以内に・・・。
【2016年1月・2006年1月現地、2016年9月記】