那珂湊で143列車と交換した勝田行き142列車が、間を空けずにやってくる。
この日はミキ300とキハ3710が交互に走っていたので、必然的に被写体は同じ車両ばかりだ。
そして17:41那珂湊始発の248列車。240列車と同じ運用であって欲しいとの願いどおり、キハ205がやってきた。
ただ、アングルはこれ以上ないくらい平凡なもの。希少なキハ20形を手堅く撮りたいという気持ちが、そのまま表れてしまった。
折り返しの249列車は、ちょっとだけ冒険して、流し撮り。それでも、キハ205がぶれては元も子もないと、シャッタースピードを落とし切れず、流し撮りとはほど遠い写真に。流れるかわりに田んぼがうまくぼけてくれたと思えばいいか・・・。
次の那珂湊始発の252列車は、18:25発。さすがに撮影は厳しいので、中根からこの列車に乗って勝田に引き上げる。
車内に入ると、「あれ、床が板張りじゃない」なんて思ってしまう。かつて茨城交通の車両は寒冷地仕様ばかりだったので、つい勘違いをしてしまったのだ。このキハ205は、元水島臨海鉄道の一般的なキハ20形だから、もちろん床はリノリウムである。
そんなうんちくは横に置いて、空いているボックス席を占領する。勝田まで3駅、10分弱のあまりにも短いキハ20形の旅であった。
キハ20形で締めくくるつもりだったのだが、翌朝、ちょっとだけ寄ったことを付け加えておこう。前日のキハ20形に味を占めて、朝の勝田〜那珂湊の区間運用にも入るのではないかとの皮算用なのである。
まあしかし、そうは問屋が卸さない。朝の区間運用は、ミキ300がその任に当たっていたのであった。
最後にまた金上〜中根間に出かけ、前日撮り損なった場所へ向かう。途中、まさに山の森を抜けるような区間があるのだ。その森の中にある踏切から上り列車を狙う。最初は望遠レンズで構えていたのだが、直前になって気が変わり、広角に。
木々の緑とキハ3710の緑が被ってモノトーン調の写真となってしまったが、かえってそれが静かな森にふさわしいと、一人納得している。
【2013年7月現地、同年10月記】