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一畑電車
食後、松江フォーゲルパーク駅まで歩き、そこからは電車で雲州平田まで、適当な撮影場所がないか確かめながら乗車。
結局ひとつ手前の布崎に戻り、そこから湖遊館新駅まで歩くことにする。
布崎駅で下車すると、まずは一畑電車の重厚な変電所が出迎えてくれる。
布崎から湖遊館新駅までは、すぐに着いてしまい、近くの水路で、しゃがんで構図を考えていると、
「水路に何かいるんですか?」と後ろから声をかけられ、びっくりして振り向く。そこには水路の営繕工事をしていた業者の監督?が怪訝そうな顔で立っていた。
「あ、いえ、電車の写真を撮ろうとしていただけなんです」
「ああ、バタ電ですか。子供のころはよう乗りましたけどね。今は車ばっかしで」
「やっぱり地元ではバタ電って呼ぶんですか」
「そうですよ」
と、しばしバタ電談義に花が咲く。その会話も、踏切の音を合図に締めくくる。
「どうもお騒がせしました。工事のチェックをしているように見えちゃいましたよね」
「ほんと、発注したお役所が来ているのかと思いましたよ」
こうして敢えて水路を入れて逆光で撮った写真は、人騒がせをした割には冴えない出来。わかりにくいが、3000系が湖南館新駅に到着したところである。
次の列車はオーソドックスに順光で。夏色の中に少し秋を感じさせる空の下、3000系が颯爽と走り抜けていった。
松江しんじ湖温泉への帰りがけに、また松江フォーゲルパークで途中下車し、秋鹿町まで歩いてみる。
駅を降りると、ちょうど1日1往復の急行が通過していった。
秋鹿なぎさ公園で日暮れを迎える。
きらきら、いや、ぎらぎらと表現した方がふさわしいくらいの黄金色に輝く湖面が美しい。そこを走る列車を撮ってみるが、さすがに無理があるか・・・。