次の列車まで時間があるので、いったん宿へ引き上げる。
部屋で時間つぶしにテレビのニュースを見たりしていると、しまった、海側の部屋にいることを忘れてた、せっかく朝日が拝める部屋を取ったのに。慌ててカーテンを開けると、おお!まさに息をのむ絶景が広がる。
早速カメラを取り出す。写真は多分に絵はがき的だが、ちょうど漁船がさしかかったところを撮影したもの。
続いて、今度は宿の宣伝写真のようだが、朝日が射し込むロビーの写真。
部屋からの朝日もいいけれど、広いロビーから眺めもまた格別である。
そろそろ列車の時間だ。再び宿を出て、また同じ民家の前へ向かう。坂道を上りかけると、高校生くらいの男の子を乗せた車とすれ違う。その車には見覚えがあった。目的の民家にあった車に違いない。前回来たときは、その家から小学生の男の子が通学するのを見かけたが、あれから7年である、高校生になっていてもおかしくない。おそらく、これから撮影する202D列車に乗るため綾里駅まで送ってもらうのだろう。案の定、民家の前に着いてみると、車庫はもぬけの殻であった。
目的の202Dは単行。201Dとほとんど同じアングルであるが、陽が高くなり、朝焼けは薄れてしまった。
撮影後、坂道を降りると、また先ほどの車とすれ違う。運転しているお母さんが怪訝な顔でこちらを見ている。鉢合わせは避けられたと書いたが、かようにきわどいタイミングなのであった。