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地図をご覧いただけばおわかりのように、店は町の外周から攻めて、少しずつ駅に近づくように移動して「大門堂」へ。
ここでも愛想のいいおばちゃんにお茶を入れてもらい、あれこれ世間話。この店は羊羹だけでなく、「大門おこし」という昔懐かしい和菓子も売りのようだ。ちょっと触手が出かけるが、今回の目的に照らして羊羹に絞る。購入した小型の羊羹の詰め合わせは、なかなかしゃれたパッケージだ。
大門堂からさらに駅のほうへ向かい、国道との交差点にある「むら雲堂本舗」へ。前回、小城羊羹を初めて買ったのがこの店で、今回は小振りの羊羹セットを購入。ただ、前回の700円に比べて1,195円と値段は張る。
今回、他の店の羊羹と食べ比べてわかったのだが、この店のみ食感が異なる。原材料を確かめると、なるほど他店にはないものが入っている。おそらく差別化を狙っているのだろう。もちろん伝統を守ることは大事であるが、攻める姿勢にも好感が持てる。
国道から少し入ったところにある「中島羊羹本舗」
真新しい店舗で、思わずご主人に尋ねると、3年前に改装したばかりだという。「むら雲堂」の直後ということで、つい比較してしまうが、こぢんまりとまとまった店もいいものだ。
同じような路地にある「丸美屋羊羹本舗」は先客がいて車を停めにくかったので、後回しにして国道へ戻り、ひときわ目立つのが「増田羊羹本舗」
ここも、老舗のプライドを感じる店だ。やはりお茶と羊羹を振る舞われ、広い店内でゆったりと品定めをする。と言っても、買ったのは試食程度の小さな羊羹であるが。
前回歩いた町から駅へ向かう道筋には数軒の羊羹店が並んでいる。そのうち、「八頭司伝吉羊羹本舗」のみ道路向かいに駐車場があったので、ここに車を置いて、他の店も回ってしまおうという魂胆であった。
ところが、車を降りると、既に店先で「こちらです」と店員が手招きしているではないか。見透かされたのならしかたない、素直に従って入店すると、早速お茶が振る舞われる。
と、原稿を書いていて、ここで混乱が生じてしまった。この店とあとで訪ねた「橘屋八頭司羊羹本舗」とは、明らかに味が違ったので、それに触れようと思ったのだが、どっちがどっちだったかわからなくなってしまったのだ。もう一度、通販で買って確かめるしかないか・・・。
そのまま車を置いたまま他の店に行ってはばればれなので、いったん駅の駐車場へ移動して、あとは徒歩で回る。先に駅に近い「中村羊羹本舗」へ。ところが、店先で「ごめんください」といくら呼んでも誰も出てこない。しかたないので、1本羊羹を失敬、てなわけにはいかないので、購入は断念。
続いては「岡本為吉本舗」だ。事前の調べでは予約しないと買えない幻の羊羹という口コミに半信半疑であったのだが、行ってみると「本日羊羹売り切れました」との札が。口コミは本当だったんだ!ということで、文字どおり羊羹は幻のまま。