銚子電気鉄道1/4
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きっかけはひょんなことからだった。
2008年4月下旬、当時ハマっていた小湊鐵道に行くつもりで五井に泊まった翌朝は雨。
予約していたレンタカーは借りたものの、撮影意欲も萎えて、そのまま房総半島を横切り、九十九里浜を北上して銚子まで来てしまったのだ。
外川の漁港に車を置き、手づくりの道しるべに導かれて路地を上ると、30余年ぶりの外川駅が昔のままの姿で現れた。
次の電車まで間があるので、待合室には誰もいない。
そのせいだろうか、昔なつかしいというより、殺風景な印象すら受けてしまう。誰もいないつもりでホームに出ると、ぽつんと女の子が一人、電車を待っていた。
携帯電話のおかげで待ち時間も苦にはならない様子だ。
やって来たのはデハ801。元伊予鉄道の車両だが、いかにも『電車』というスタイルが好ましい。
伊予鉄道時代に改造されて、両端の顔が異なるが、それもご愛嬌。
外川駅に到着直後のデハ801。
外川側の顔には貫通扉の跡が残る。一方の銚子側の顔は、非貫通の3枚窓だ。
デハ801に乗って、まずは銚子まで行ってみる。
車内では早速検札が始まった。
切符を買っているのは、ホームのベンチにいた女の子だ。
銚子駅は、JRのホームと地続きなのは変わっていないが、乗換口にはかわいらしい駅舎?が設けられていた。
銚子で折り返して犬吠へ。
犬吠駅の駅前ではボランティアの人達が、観光客の案内に一役買っていた。
立派な駅舎に建替えられ、周辺も廃車体を利用した店舗が並ぶなど整備されて、見違えるようだ。
銚子電鉄が、車両の整備費用捻出のために買って!とホームページで訴えたことで有名な『ぬれ煎餅』も、もちろん売られている。
観光バスのルートにも組み込まれているようで、ここから銚子まで体験乗車?する観光客で、電車も満員であった。さっきの外川駅の寂れ方が嘘のよう。
大勢の観光客が待ち受けて、撮影の邪魔なんて思うより、なんだか嬉しい気分になる。