桜のシーズンが終わると、田んぼの畦などにシロツメクサの白い花が広がる。
それを広角で目一杯入れようとしたら、列車が大きくゆがんでしまった。というわけで、この写真はかなり修正を加えている。
同じくシロツメクサを広角で。
これもレンズのゆがみで地表が弧を描いているが修正はせず、そのままだ。
こういう構図では、シロツメクサにピントを合わせて列車をぼかすほうが素直なのだが、頑固なまでに列車にこだわる。
このあたりの田植えは遅い。
5月下旬から水を張り、6月上旬に田植えとなる。その短い期間が水鏡のシーズンである。
この写真は、網引駅を発車した列車を、もっと引きつけるつもりが、家並みなどがごちゃごちゃ入ったほうが面白そうだと早めにシャッターを切ったもの。
上写真058とは反対側の田んぼにも水が張られた頃、早朝に出かけてみた。
ほぼ無風のおかげで、きれいな水鏡だ。ただそれだけの平凡な構図だが、この日はとても気持ちのいい朝で、私にとっては、そのときの清々しさがよみがえる写真なのである。
写真059の列車が約50分後、北条町から折り返してきた。
この日はもう一人、顔なじみの撮り鉄と会ったが、この田んぼは、もうほとんど網引駅と言ってもいい場所で行きやすいこともあり、大勢の撮り鉄が集まってくる。
ここで田んぼの持ち主と言葉を交わしたこともある。とても気さくな方で、会話も弾む。色々な人と話をしたのだろう、水鏡の写真をもっと撮りたいのにもう田植えをするのか、と残念がられたこともあるそうだ。そんな撮り鉄の身勝手な言い分を怒るどころか「農家が田植えをしなくてどうすんだよなあ」と笑い飛ばすのであった。
撮り鉄がうろうろしているのは、うっとおしいはずなのに、他の田んぼでも、「軽トラ邪魔だろうからどけようか」と声をかけてくれたり、みな気のいい人たちばかりだ。
地元の方とのそんないい関係が続くことを切に願う。
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